恋夜

私は雨が嫌いだ。前日から色々考えて組み立てていた予定を全てキャセルしてしまう事すらある位なのだから。だが、今日は待ちに待った奈緒とのデートだからこれをキャンセルするわけには到底いかない。重い雲に覆われた空を少しだけ恨めしげに見上げると私は自宅を出て待ち合わせの公園に向かった。彼女との逢瀬は今日で３度目になる。こういう関係になったきっかけは私の勤めている会社が企画した大掛かりなイベントショーがきっかけだった。モデルとして呼んでいた彼女が控え室でコンタクトを落とし困っていたのを助けたのが私である。その時は、下心など無くまさか自分と彼女のような若くて綺麗な娘とこんな関係を持てるとは思ってもいなかった。