平成ありす

優等生、破壊。あんりはこれまで「良い子」、「優等生」のレッテルの中で生きてきた。周りがそれを求めたから、○女はそれを演じた。だからそれ以外の生き方を知らない。本当の自分を表現することに１８年間、怯えてきた。きっかけは街で声をかけられた。いわゆる「スカウト」。話している内にほんの少しだけ「AV」の世界に期待を抱いた。女なら誰しもスポットライトを浴びてみたい。自分を変えるチャンスかもしれないと。彼女は今、迷宮の中を彷徨っている。最初に抱いたかすかな期待とは違う、現実。だが後戻りはできない。その日あったばかりの、見知らぬ男優と、あっという間にキスをし、ずっとコンプレックスだった小さい乳房に口づけされヴァギナに肉棒をブチ込まれ、精子を顔に吐き出される日々。それで収入を得る。生活が成り立つ。「優等生」からの脱皮。白いウサギを追いかけて行き着いた世界。そこで○女は少しだけ大人に近づく。